第9章:【AI進化編】「画像生成」で最高の表紙をつける
活字だけのサイトが一瞬でプロ仕様に。AIを使ったアイキャッチ画像作成術と、重いサイトにならないためのWebP(ウェッピー)化の基本。
9-1. いらすとや、写真ACからの脱却と「世界観」の構築
自分で作った静的サイト(家)。少しずつ記事も増え、手塩にかけたテキストが並ぶようになってきました。 しかし、文章を愛する文系ライターが構築したサイトにありがちなのが、「文字ばかりでなんだか黒くて重い、寂しい空間になってしまう」という現象です。
読者は本を開くようにサイトを開くわけではありません。ほとんどの読者はスマホの小さな画面で、流し読み(スクロール)をしながら「ここは自分が読むべきページかどうか」を瞬時に判断します。 そのため、記事の顔となる最初の「アイキャッチ画像(バナー)」や、見出しの間に挟まる一つ二つの「挿絵」の存在が、記事全体の滞在時間に大きく影響します。
多くの人はここで「フリー素材サイト」に走ります。 しかし、いざ探してみると「自分が求めているドンピシャの画像」は見つからず、結局「いらすとや」のイラストや、どこかで見たことのある外国人のビジネスマンが握手している写真、あるいは無味乾燥なパソコンのキーボードの写真で濁してしまう。 すると、せっかく洗練されたテキストと独自のデザインで組み上げた空間が、なんだか「ネット上のどこにでもある量産型ブログ」に見えてしまいます。
ここで強力な武器となるのが**「画像生成AI」**の存在です。
Midjourney(ミッドジャーニー)、DALL-E 3(ダリ・スリー)、Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)。ここ数年で爆発的に進化したこれらの画像生成AIを使うことで、あなたの思い描くテキスト(物語)に、世界に一つだけの完璧でプロフェッショナルな「挿絵」を一瞬でつけることができる時代になりました。 これは、自分で出版社を持ち、天才的なイラストレーターを専属で雇ったのと同じことです。
9-2. どの画像生成AIを選ぶべきか?
代表的な画像生成AIにはそれぞれ得意分野(画風の特徴)があります。自分がどんな「サイトのトンマナ(世界観)」を作りたいかで使い分けるのがおすすめです。
- Midjourney(ミッドジャーニー) 「高クオリティ・芸術的・エモい」画像を作るなら圧倒的なNo.1です。洋風のファンタジー、サイバーパンク、写真のような美しい風景などで無類の強さを発揮します。Discord(チャットアプリ)経由で英語で指示を出すため少し敷居が高いですが、一番「プロっぽい表紙」が作れます。
- DALL-E 3(ダリ・スリー) ChatGPT(Plus課金または無料の一部で利用可能)の中に組み込まれているAIです。日本語で「○○をしている画像を生成して」と雑にお願いしても、プロンプトの意図を正確に汲み取ってくれるため非常に使いやすいです。論理的な構図や、文字(ロゴなど)まじりの画像を作るのが得意です。
- Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン) パソコンのスペックが要求されるプロ向けですが、アニメ調のキャラクターや固定の顔を持つAIペルソナを作りたい場合に向いています。カスタマイズの自由度は最高です。
9-3. テキストAIと画像AIの「挟み撃ち」プロンプト術
とはいえ、いざMidjourneyなどに「美しい家を描いて」とただお願いするだけでは、理想の画像は絶対に出てきません。AIに「どんな画風で」「どんな光の加減で」「どんな構図で」描くかを細かく指定する「プロンプト(呪文)」のテクニックが必要です。
しかし、英語でプロンプトを考えるのは面倒です。 ここで、文系ライターが最も得意とする「テキストAIの活用」が最大限に活きてきます。言語生成AI(ClaudeやGemini、ChatGPT)にプロンプトを作らせるのです。
具体的な呪文(連携術)は以下の通りです。
- ClaudeやGeminiに、自分が書いた記事を丸ごとコピーして読ませる。(または記事の要約を投げる)
- 「今からこの記事の『アイキャッチ画像(表紙)』を生成したい。Midjourney(またはDALL-E3)に入力するための、英語のプロンプトを3パターン提案して。画風は『水彩画風』『サイバーパンク風』『写真のようなリアルなシネマティック風』の3つで」とお願いする。
- 出てきた英語のプロンプトを、そのままそっくり画像生成AIにコピペする。
これで、あなたの書いた文章の「文脈」や「隠れたテーマ」を完全に理解した、芸術的な画像が一瞬で生成されます。 あなたが紡いだ物語の要素(登場人物の感情や、街の気配)を言語AIが抽出し、それを画像AIが視覚化する。この「AIの挟み撃ち(数珠繋ぎ)」こそが、世界に一つだけの「最高の表紙」を作る究極のハックです。
9-4. 家(サイト)が重くなる? 画像の「軽量化」問題
さて、画像を作り放題になって大喜びで記事に貼りまくっていると、ある日突然、大きな問題に直面します。 「自分のサイト、スマホで見るとやたら表示が遅くないか……?」
AIが生成する高画質な画像(PNGやJPG)はファイルサイズが非常に大きく、1枚で数メガバイト(MB)もあります。それを1ページに何枚も設置すると、ページを開くのに何秒もかかる「重い家」になってしまいます。 現代のWeb閲覧において「表示の遅さ」は致命的です。読者は1秒遅れるごとにイライラして離脱し、最悪の場合、Googleの評価(SEOの順位)も大きく下げられてしまいます。
そこで活躍するのが 「WebP(ウェッピー)」 という新しい画像形式です。
最強の圧縮:WebPの魔法
私たちは長らく、パソコンのファイルはJPEGかPNGしか見たことがありませんでした。しかし現在は、Googleが開発した「WebP」という形式がWebサイトの標準になっています。 WebPは、画質をほとんど落とすことなく(人間の目には違いが分からないレベルで)、PNGの半分以下のファイルサイズにしてくれる魔法のような形式です。
ありがたいことに、私たちの使っている Astro(静的サイトジェネレーター)には、この「画像の最適化」という最強の機能が標準で備わっています。
Wordpressなどで重い画像を上げるとそのままのサイズで表示されることが多いですが、Astroの <Image /> コンポーネントなどを使って画像を配置すると、ビルド(サイトを組み立てる作業)の段階で、重いPNG画像を「自動的に一番最適なサイズのWebP」に変換し、さらに「読者がスクロールしてその画像が見える瞬間にだけロードする(遅延読み込み)」という高度な技を勝手にやってくれます。
もしMarkdown(.mdファイル)に直接  と書く場合で、どうしても手動で軽くしたいときは、「Squoosh(スクーシュ)」のような無料のオンライン変換ツール(Google製)を使って、重いPNGを軽いWebPに変換してからサイトのフォルダに放り込む癖をつけましょう。
重い画像(PNG)は「場所を取る大きな高級家具」です。 軽い画像(WebP)は「見た目は全く同じ高級家具だけど、中身がダンボールでできている信じられないくらい軽い家具」です。
あなたの家(サイト)を、美しい挿絵や芸術的な装飾でいっぱいにしつつも、足元は風が抜けるように身軽にしてあげてください。 それは読者への優しさであり、ひいてはGoogleという神様へのアピール(SEO)にも繋がるのです。